プロから一般人まで、多くの方に愛されてプレーされ続けてきたゴルフ。では、皆さんはゴルフの起源をご存知ですか? ゴルフがいつどのように始まり、どのように発展を遂げてきたのか。ゴルフの歴史の変遷と、ゴルフの未来がどうなるのかを見ていきましょう。
ゴルフの起源
実は、ゴルフの起源は明確にはなっていません。イタリア説、イギリス説、フランス説など、ヨーロッパを中心に諸説流れている中から、今回は特に有力と言われている「スコットランド発祥説」と「オランダ発祥説」をご紹介します。
・スコットランド発祥説は「羊飼いの暇つぶし」?
14世紀頃、スコットランドでゴルフに似た遊びを始めたのは羊飼い達でした。ある羊飼いが、退屈を紛らわすために、先の曲がった杖で足元の小石を打ち転がしたところ、その小石がたまたま野ウサギの巣の中に転がり込んだのです。
「これは面白い!!」と思ったその羊飼いは仲間に声をかけて、各自が先の曲がった棒を持ってウサギの巣穴に小石を打ち込む遊びを始めました。これがゴルフの形の始まりになったと言われています。
・オランダでは「コルベン」と呼ばれる遊びがあった
14世紀ころ、オランダでは「コルベン(kolven)」と呼ばれる遊びが行われていました。長い棒でボールを打ち、より少ない打数で離れた場所にあるポールにボールを当てた人が勝ち、というルールです。この遊びが国を超えてスコットランドに伝えられたと言われています。
オランダを起源とする資料や、コルベンに関する文献も残っているようで、「オランダ発祥説が最も有力では?」と言われています。
「Golf」という名称の由来は?
これに関しては、有力な定説は2つ、「こん棒」を意味するオランダ語「kolf」が由来、そして「打つ」を意味するスコットランド方言「gowf」が由来とされるものがあります。
1300年代のオランダで、羽毛を中に入れた革製のボールを使ってプレーをするゲームが行われていました。このゲームは「spel metten kolve」と呼ばれていて、それが「kolf」と呼ばれるようになり、それがスコットランドに渡って「golf」と呼ばれるようになった説があります。
日本におけるゴルフ発祥の歴史
・日本にゴルフを伝えたのは英国人
日本にゴルフがやってきたのは1901年。英国人・アーサー=ヘスケス=グルームが兵庫県の所有する別荘の土地に4ホールのコースを造ったところから始まりました。ホール数はどんどん拡大され、2年後には9ホールに。1903年には、神戸商工会議所で「神戸ゴルフ倶楽部」が設立されました。しかしこの時はまだ日本にとってゴルフはメジャーではなく、ゴルフ倶楽部の日本人会員はわずか7人でした。
・第一次・第二次ゴルフブームの到来
転機は1957年。日本でカナダカップ(=ワールドカップ)が開催され、日本人の中村寅吉と小野光一のペアが団体優勝、中村寅吉は個人でも優勝を果たしました。テレビを通じて多くの日本人がこの様子を見ており、それがきっかけで第一次ゴルフブームが巻き起こりました。
また、9年後日本で行われた大会では世界のスタープレーヤーたちが競演して、日本人たちが熱狂。これが第二次ゴルフブームの発端となり、日本列島にゴルフ場の建設が急速に進みました。1960年には日本初の民間トーナメントが開催され、その後「フジサンケイクラシック」や「よみうりオープン」など現在に続くトーナメントが開催されるようにもなったのです
・バブル崩壊後
高度経済成長によってゴルフの民衆化は進みました。しかし、1990年代、バブル崩壊後。不景気の波で多数のゴルフ場が経営困難となり倒産しました。ゴルフ場の減少に伴い、ゴルフ人口も減少。ここから日本のゴルフ事情は大きく変化したと言えます。
日本のゴルフの未来は?
ゴルフ人口は現在高齢化しています。50~60代になってからゴルフを始める人口が増えており、ゴルフ人口の半数以上を50代以上の層が占めています。
また、ゴルフ場に出ずに、屋内練習場や打ちっぱなしに留まっている層が多くなっています。子供や若者をゴルフ場にどう取り込むかが今後の日本のゴルフにおける課題となりそうです。若者のニーズに応えた振興策を打っていくことが、この先もゴルフを反映させていくための必須条件になるでしょう。
東京五輪でゴルフブームの再熱に期待!
1904年以来オリンピック競技から除外されていたゴルフが、2016年のリオデジャネイロオリンピックで復活することが決まっています。そして2020年の東京オリンピックでも、ゴルフの会場が霞が関カンツリークラブで決定。
ゴルフの日本大会、日本人選手やスター選手の活躍を機に訪れてきた日本のゴルフブーム。東京オリンピックは、第3次ゴルフブームをもたらしてくれるのでしょうか? 今後の展望に期待できそうですね!